統合失調症は精神病性疾患の代表的なものとされています。『精神病性』とは幻覚(幻聴や幻視など)や妄想が主要な症状であることを意味します。精神病性の障害にはこのほか妄想性障害、急性一過性精神病性障害、統合失調感情障害などがあります。
統合失調症の症状では幻覚や妄想が特徴的です。自身に対する迫害的な内容の幻聴が聴こえたり、被害妄想や注察妄想(他人に監視されている)などの症状がそれにあたります。
自我障害という症状もみられます。自分が操られたり、命令されて行動を強制されたり、他人の考えが頭に入ってきたり、考えていることが外に漏れたりすると感じてしまう症状です。慢性期になると、意欲の低下や感情の平板化がみられ、人との関わりを絶ち、閉じこもってしまうこともあります。
これらの症状にはドーパミンやセロトニンと呼ばれるホルモンのはたらきが関係しているとされています。そのため薬物療法が治療の中心となりますが、一旦症状が改善しても内服を中断すると高い確率で再発することが知られています。そのため寛解後も治療を継続することが大切です。デイケア通所などの社会的治療も必要に応じて併用していくことがあります。